ジョブホッパーは「転職を繰り返す人」を指す意味で日本ではネガティブなイメージが定着しています。
実際、幾度の転職を経験して「転職を繰り返して採用している企業はあるのか?」と悩みを抱える方も多いはずです。
しかし、転職を繰り返すことは決して悪いことではありません。
世間的なイメージから不安や負い目を感じているだけです。
筆者の転職回数は6回で、世間一般的にみて典型的な「ジョブホッパー」といえます。
この経験から言えるのは「転職を繰り返しても人生終わらない」ということです。
現状の待遇の良し悪しもありますが転職は重要な選択肢。
それでは、転職を繰り返すジョブホッパーの悩みを少しでも解決できればと思いますのでご参考ください。
- 様々な業種にチャレンジしたいけど転職できるのか?
- 3回以上転職している
- 複数回転職をして将来が不安に感じている
- 何度も転職を失敗している
なぜ一般的に転職を繰り返す人のイメージが悪いのか?
日本特有の年功序列、退職金制度は勤続年数が長いほど有利となる仕組みで能力や実績が収入反映されない、それが「終身雇用」に繋がり転職をしない風潮があります。
それに反してアメリカの平均転職回数は11回と日本人では考えられないほど多い。
退職金制度は基本的になく、老後の資金は自分で用意しなければいけません。
その代わり能力や実績に応じたインセンティブが多く支払われます。
転職回数の多いアメリカでは回数が多いほど「キャリアを積み重ねた人」とみられ、企業も好意的です。
日本では経験不足、すぐ辞められるのではと敬遠されがちです。
こういったことから転職しないのが当たり前となっています。
今では高校を卒業して大学を出て就職。そして定年まで働くのが日本の常識となって、そのレールから外れる転職を繰り返す人はダメな人というレッテルを貼られてイメージが悪くなっているのでしょう。
企業は転職を繰り返している人をどう評価しているのか?
世間のイメージと同じく企業の評価が良くないことは確かです。
面接するにあたって「採用してもすぐ辞める」「人として問題がある」「経験不足である」
これらの不安要素が挙げられます。
それに、ただ働いてもらえばいいってわけじゃありません。
企業の雇用コストは少なくとも給与の2倍かかるといわれてます。雇用するにあたって求人広告費、紹介料、入社案内説明制作費、説明会会場費、給与などのコストが発生します。
なおさら中途入社の場合は経験、能力が追求され会社としては早く成果をあげて欲しいわけです。そこで一番警戒している理由が「早期離職」です。
早期離職された場合は、これらの費用が水の泡となります。
将来的な投資よりも離職されるリスクをできる限り回避する企業が多いです。
また、人事担当者には転職経験が少ない人物を配置する企業もあります。
このような企業の場合は「この人は問題がある」と書類選考すら通過できない可能性があります。
書類選考で人となりは判別できませんが、ふるいにかけることができます。
すぐ辞める人ばかり採用していると、担当者本人の評価に直結しますので複数回転職している人は慎重に選考する傾向があります。
しかし、何回以上転職したらダメといった明確な理由も制限もありませんので、転職繰り返していても卑下する必要はありません。
必ず自分に合った企業はあります。
令和時代は転職回数を気にしなくていい⁉︎
最近、増えてきているのが転職回数を気にしない企業です。
気にしないと言っても限度はありますが、以前に比べて転職回数を重視しない企業が増えています。
では、どのように変わってきているかというと転職回数よりも「応募者のスキル」重視するようになってきたからです。
どのような会社で働いてきたのか、どのような業務に携わってきたのかと業務内容を重視するようになってきています。
例えば、お堅い業種で知られる金融業界でも増加傾向にあります。
以前の金融業界は転職回数が少ないほど良いとされてきましたが、金融とテクノロジーが結びついたことで技術を持った人が短い期間で転職しています。
今では転職が珍しいことではなくなりました。
この例を見てわかるように金融業界の転職が増えた理由は専門的業務が増えてきたからです。
特に専門職になると経験やスキルが重視されます。
専門的な業種は医療、技術者、エンジニア、建築技術者などスキル重視の業界とされています。
6回転職してどうなったのか?
筆者の転職履歴は以下の通り
回数 | 職種 | 勤務年数 | 年収 |
1回目 | 事務 | 5年 | 390 |
2回目 | 事務 | 2年 | 340 |
3回目 | 営業 | 1年 | 450 |
4回目 | 飲食 | 1年 | 350 |
5回目 | 通信 | 2年 | 450 |
現職 | 通信 | 5年 | 570 |
初めて勤めた会社は事務で年収300万いくかいかないかぐらいで1年経たずに辞めました。
別の会社の事務で5年勤めて最終的な年収は390万円です。
また、事務に転職しましたが求人の内容と低賃金を理由に退職。
自力で探すよりも、その道のプロに任せたほうがいいんじゃないかな?と転職エージェントを使って異業種の営業に転職。
しかし、営業のノルマについて行けず転職。
転職エージェントで希望した条件が無かったので自力で就職活動。
どうせならと異業種の飲食に転職。
しかし、拘束時間が長い割に給与が低いので転職。
そして、自分に合うと思ったのが通信の仕事です。
通信といっても部門が様々で電柱に登る電気通信や自宅にネットや電話を設置する民間の仕事、通信の設計、運用、保守などかあります。
インフラ事業で仕事が尽きることなく安定した業種です。
30代前半だったので年齢的にギリギリの転職でした。
高年収とはいえませんが40手前では十分な額と思っています。
自分の身の丈以上に高望みしても失敗する可能性が高いですし、もう少しスキルを磨くつもりです。
また、チャンスがあれば通信業限定ですが転職するかもしれません。
会社の待遇に不満があるのなら転職も視野にいれてみてはどうでしょうか?
転職を繰り返して良かったこと
転職すると今まで築き上げた人間関係や信用などが全てリセットされます。
また、新しい職場で人間関係を築いていかないといけません。
職場に慣れていこうとする「相当なコミュニケーション力」が必要となります。
以前と異なる社風で、さまざまな性格や年代の人と再構築するコミュニケーション力に磨きがかかります。
新天地で働く時に不安に感じる人も多いはずです。
しかし、何度か転職していると抵抗がなくなって物怖じしなくなります。
面接の際も堂々と受け答えができるようになり、なにより相手のペースに呑まれずに冷静に企業分析ができます。
企業を渡り歩く経験は自分の強みとなります。
もう一つは人脈を広げられる事です。
業界の情報交換もできますし、気の合う人は10年経った今でも付き合いがあります。
もう辞めた業界に戻るつもりはありませんが、もし仕事に困っても仕事に困らなくなります。
こんな転職はダメ
これだけ転職を繰り返してきましたが、転職するにあたって守ってきたルールがあります。
- 条件が上がらない転職はしない
- 家族に反対されたら転職しない
- 勢いに任せて辞めない
- 無計画な転職はしない
ルールを設けるだけで失敗するリスクを下げられます。
それでは説明していきます。
条件が上がらない転職はしない
これは転職の第一条件です。
筆者の場合は妻子を抱えて転職していた為、条件は収入アップです。
目的が定まらないと必ず失敗します。
収入を上げたいのか、福利厚生を重視するのか、やりたい仕事に就きたいのか、年間休日を増やしたいのか、様々理由があります。
その目的を果たさないと意味がありません。
しかし、年収も上げたいし年間休日も増やしたいなどは、余程の能力がないと難しいので妥協点も考えておくべきです。
家族に反対されたら転職しない
筆者のように転職を繰り返していると少なからず家族に不安を与えます。
自分一人で会社に見切りをつけるのでなく、家族にも見切りをつけてもらうことで気持ちよく転職活動に取り組めます。
自分も家族も納得できてようやく行動するものです。
筆者が妻に了承してもらう方法は、会社の良い点、悪い点を紙に書いてプレゼンして決めます。
もし、良い点が目立っているなら保留。悪い点が目立って妻の了承を得て活動しています。
家族の了承を得ると気持ちよく行動できます。なにより後押しがあるのと無いのでは全く違います。
転職はリスタートです。
気持ちよく転職しましょう。
勢いに任せた転職はしない
仕事をしていると時には腹が立つことがあります。
人間関係や仕事そのものに不満があったりあると思います。
しっかりと自分の感情をコントロールできていないと、退職の際にこじれる原因となります。
退職の長期化や有休のスケジュールなどスムーズにいかないかもしれません。
最悪のパターンは同業他社で「無責任な人」など悪いウワサが流れる可能性があります。
そうなると同業種への転職が難しくなり、せっかくのスキルを活かせなくなります。
無計画に転職しない
転職活動時期が繁忙期だと思うように動けなかったり、書類選考に通過しても面接の日程が合わなかったりします。
納得のいく転職をするなら繁忙期は避けるべきです。
中には辞めてから探す人もいるかと思いますが、辞めてから当面の生活費が必要です。
預金が尽きかけて仕事が決まらずに焦って、条件が下がったという話はよく聞く話です。
20代は天職、適職探しの時期
天職とは自分の生まれつきの性質に合った職業のことで、適職は自分のスキルに合った職業を指します。
理想は”天職”または”適職”で働くことではないでしょうか?
しかし、そう簡単に見つからないものです。
筆者の経験からいうと20代はいくらでも転職できるし、自分に合った職業を探すには最適な時期です。
30代では転職自体が難しくなりますので、たくさんの経験を積むチャンス世代といえます。
スキルや経歴の一貫性が求められる30代になるまでにできる限り天職、適職を探しておかないと、転職条件が下がる可能性が高くなります。
転職エージェントで華麗にジョブホッピング
筆者の経験上、自力での仕事探しは非効率的です。
仕事の合間を縫って求人広告とにらめっこしても、仕事に支障をきたしますし希望の条件を探す時間がありません。
それに求人広告は企業が多くの人を募集するための文面なので、働いてみると募集の内容と違うことが多々あります。
転職エージェントの場合は仕事をしながらでも、エージェントが最適な求人を探してくれるので効率的です。
なにより転職エージェントの強味は非公開求人を多く取り扱っていて、好条件の求人を紹介してくれるケースがあります。
それに履歴書のサポートから雇用条件交渉など行ってくれます。
エージェントは企業を知り尽くしているので、しっかりと打ち合わせをして希望を伝えていればはずれ転職になりません。
不安な方にはおすすめです。
まとめ
20代はどんどん転職にチャレンジする時期で、30代には自分に合った業種を見つけて経験を積めば30代の転職でも苦労しにくくなります。
天職、適職に出会うことで長期的に働ける環境が手に入ります。
転職を繰り返すことは悪いことではないので、自分の将来のために転職しましょう。
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